「うちの子は私(飼い主さん)を馬鹿にしているのでは・・・?」
「飼い主を下に見ているのでは・・・?」
「なめられているのでは・・・?」
と、悩んでおられる方が本当に多いです。
はっきり申し上げます。
犬は人を馬鹿にしませんし、人と犬の間に上下関係は成立しません!
人と犬に上下関係は成立しない?
かつては、「人と犬には上下関係があり、人は絶対的なリーダーにならねばならない」と言われていました。
これはもともと、狼の研究から出てきたもので、1970年頃に発表されてから世界中に広まりました。
しかし実は、この理論を提唱したアメリカの研究者本人が、さらに研究を進めた結果、2008年に「間違いだった」と発表しているんです。
また、進化の過程で、狼と犬の行動には大きな隔たりが出てきました。
そのため現在は、狼の行動をそのまま犬に当てはめる事自体無理がある、とも考えらています。
(人と猿の行動を比較することはできても、そのまま当てはめられないのと同じです。)
さらに言うと、動物の世界の上下関係は、そもそも「繁殖する時により強い相手を選び、子孫を反映するため」に決められます。
つまり、同種族間で上下関係が成立しても、異種族間では成立しません。
人と犬では、成立しようがないんです。
馬鹿にしているのではなく単なる学習
「だけどうちの子、遊ぼうとする時に私の手を噛もうとするんです・・・。馬鹿にしているように感じるんですが・・・」
確かにそういう行動はよく見られます。
ですがそれは、人を下に見ているとか馬鹿にしているのではなく、もっと単純な理由の場合が多いです。
その理由とは「学習」によるもの。
「犬が遊んでほしい時に噛む」という飼い主さんの様子を見ていると、かなりの確率で「いた~い」と高い声を出していたり、慌ててバタバタしています。
それを見て、犬は嬉しそうな表情。
犬はこう思っているんです。
「噛んだら相手してくれた!!!」
・・・単なる犬と人との誤解なんですね。
犬は通常、親代わりでもある飼い主さんのことが大好きです。
だからこそ、飼い主さんが自分に注目し、反応してくれるのは、とても嬉しいんです。
そしてその行動を繰り返すことで、犬はあっという間に「噛むと相手してもらえる」と学習してしまうんです。
吠えや飛びつきなども、同じ様な誤解で起きることが本当に多いです。
上下関係ではなく個々の関係
今は、人と犬の関係は、個々の関係だと言われています。
ママ、パパ、お兄ちゃん、お姉ちゃん。
家族それぞれに対し、犬の行動が変わるのはよくあること。
その理由も、大半は「各人との過去の経験で、学習してきたから」です。
「上下関係がひっくり返っているんだ!」
「馬鹿にされているんだ!」
と考えるのは大変危険です。
犬を力でおさえようとして、関係をこじらせる方が大変多いからです。
そうではなく、いったん落ち着いて「うちの子の行動は、何か学習した結果なのでは?」と考えてみて下さい。
人の行動が原因だと思い当たったり、犬の気持ちに気づいてあげられるかもしれませんよ。
人と犬の気持ちを大切にがモットー!
ドッグトレーナー岡元です!
大阪で出張型 犬のしつけ教室をしています。
子犬のしつけ、困った行動の改善など
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