柴犬のコロちゃん、ちょっぴり慎重派の女の子です。
はじめて会ったときは、見慣れない男性(僕です)に緊張して、テーブルの下に隠れていました。
こんなとき、「こっちにおいでよ」としつこく誘ったり、無理に追い回したり、抱き寄せるのは厳禁!!!
嫌われちゃいます。
もし自分が初めて会う人に緊張しているときに、無理に迫って来られたりしつこくされたら嫌ですよね?
こういうときは、犬の方から近寄ってくれるようになるまで、犬の様子に合わせて「犬が近づいてくれやすい状況を作り、上手に待つ」のが正解です。
動物とのお付き合いでは、実はこの「待つ」という行為は大変重要な意味をもちます。
過剰なアプローチをしないことで、相手に「この人、危険ではないようだな」と思ってもらうようにするわけです。
コロちゃんの場合は、最初距離をとって隠れつつこちらの様子を見ていました。
興味はあるけどちょっと怖い・・・と困惑している感じです。
そこで、すぐにコロちゃんに近づいたりジロジロ見たりせず、ご家族とお話しながら「ただそこにいる」ようにしました。
知らない人がいるという状況を、無理せずコロちゃんのペースで受け入れてもらうためです。
しばらくたつと、僕の持ち物や体に近づいて、匂いをかぐ仕草が見られ始めました。
「何者かチェックしてみよう・・・」と、コロちゃんが勇気を出してくれ始めた瞬間です。
頃合いを見計らってから、緊張度合いがどれくらいなのか調べるために、コロちゃんが嫌がらない距離をとったまま、食べ物を手に乗せて様子を見ます。
すると少し近づくものの、食べ物を口にすることはできないようでした。
ここで焦って、こちらから距離を詰めてはいけません。
動物にとって「安全と思える距離感」はとても大事なもの。
こちらから近づくのではなく、コロちゃんの方から近づいてもらいたいところです。
(人から近づかれるより、犬が自ら人に近づく方が、犬自身の意思が入るため、怖さの度合いが低いです。)
そこでコロちゃんが近づけるギリギリの場所に、食べ物を置いてみました。
少し緊張した様子で食べ物に近づくコロちゃん。
「食べたいけど、大丈夫かな?」と食べ物とこちらの顔を交互に見ています。
しばらくたってから、パクッ! 思い切って食べ物を口にいれてくれました。
次にもうほんの少しだけ、こちらと近い距離に食べ物を置いてみます。
すると先程よりわずかに早く、コロちゃんが置いた食べ物を食べてくれました。
このようにして、ギリギリクリアできる範囲でコロちゃんに距離を詰めてきてもらい、最終的には僕の手から食べ物を受け取ってくれるようになりました。
その後も無理はせず、コロちゃんの方からアプローチしてもらうことに注力した結果、3回目のご訪問では、とうとうコロちゃんの方から「遊ぼう!」と誘うそぶりを見せてくれました。
嬉しい瞬間ですね~。
ちなみに怖がり度合いが強い犬の場合は、食べ物なども使わず「何もせず、ただその場にいる」のが最良な選択の場合もあります。
これは他の動物も同じです。
とある有名な猫の写真家さんは、外で出会った猫の写真を撮るために、何時間も動かずにじっと待ち続けるそうです。
それが猫から「あの人間は安全みたいだな」と知ってもらい、自然な表情を引き出す一番の方法だとか。
「上手に待つ」って、本当に大切ですね!
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