「人と犬の気持ちを大切に」がモットー!
ドッグトレーナー岡元です!

「社会化」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

専門用語なのですが、最近よく聞くようになりました。

 

今回は、社会化とはなんぞや?

何のため必要?というお話です。

頭を撫でられる柴犬

社会化って何だろう?

目次

・社会化とは?

-臆病な犬と動じない犬

-具体的に何に慣らせば良いの?

-社会化に最適な時期

-12週齢を過ぎたら社会化は終わり?

・まとめ

 

社会化とは?

社会化とは「犬を様々な物に慣らし、社会生活に適応させること」です。

ではその社会化が不足していたら、何か困るのでしょうか。

一つの例をもとに、ご説明致します。

 

臆病な犬と動じない犬

臆病でいつもビクビクしている犬を見たことがありませんか?

あらゆるものが恐怖の対象になっているので、犬にも辛い状況です。

 

対して多少の物事には動じない、穏やかで落ち着いた犬もいます。

彼らの違いは、どこから来ているのでしょうか?

頭を撫でられる犬

穏やかな犬は、日常で受けるストレスも少なく済みます。

 

色々な原因がありますが、その一つに「子犬の頃の経験が豊富かどうか」があります。

犬も人間と同じで、色々な経験をすると自信が付きやすくなります。

自信のある犬は、物事の対処に優れる傾向があります。

子犬の頃に様々なものに慣らすと、穏やかで落ち着いた性格になりやすいのです。

 

様々なものに慣らすとは、冒頭でお話した「社会化」のことです。

つまり社会化不足の犬は、臆病になりやすいんですね。

 

具体的に何に慣らせば良いの?

様々な物と言っても、具体的には何に慣らすのでしょうか。

答えは、「様々な人・動物・環境・物」です。

 

人なら、体の大きい人・小さい人。

お子さんからお年寄り。

男性・女性。

帽子をかぶっている人、コートを着ている人、杖や傘を持った人など。

 

動物であれば、色々な犬たち。近所で見かける猫や鳥たちなど。

 

環境や物であれば、静かな所、騒がしい所。

自然、街中、屋内外、散歩コース。

 

それに掃除機、インターホン、車やバイク。

首輪やリード、爪切り、ブラシ、ドライヤーなど。

 

慣れさせる対象は、今後人間社会で出会うであろう全てのもの。

 

実際には、ありとあらゆるものに慣らすのは不可能です。

しかし、できる限り多くのものを見せたり匂わせたり、経験させるのが理想的です。

 

例えば動物病院なども、慣らしたい対象ですね。

病院の協力が必要ですが、獣医さんや看護師さんからオヤツをもらったり、診察台に慣れさせてもらえたらグッドです。

 

実際に、あるお客様の愛犬で、子犬の頃から動物病院スタッフさんに可愛がられて育った、シェルティーちゃんがいます。

その子は動物病院内でも、オドオドせず、とってもリラックスできているそうです。

 

社会化に最適な時期

何かに興味津々な子犬たち

子犬の頃は、色々なものに慣らすのに最適

犬の社会化には、最適な時期があります。

それは生後3週~12週の間です。

 

この時期の子犬はとても好奇心が旺盛で、かわりに警戒心・恐怖心は低いです。

そのため、色んなものに慣れやすいんですね。

 

12週をすぎる頃から、警戒心・恐怖心が増していき、好奇心を上回るようになります。

この変化は、動物の成長に応じた脳のプログラムによるものです。

 

子供の頃は親が危険から守ってくれます。

そのため、好奇心が高く色んなものに興味を示しても、比較的安全です。

むしろ外からの刺激を受け、今後の社会生活に適応していけるように、成長する必要があります。

 

しかし大人になっても、警戒心・恐怖心が低いままだと、とても危険です。

もし野生なら、天敵となる動物に不用意に近づいてしまう恐れがあります。

すると捕食されたり、命の危険にさらされてしまいます。

そのため、好奇心を抑えて、警戒心を高めなければならないのです。

 

もともとは、生きていくために必要な変化なんですね。

 

デリケートな時期だから、気をつけながら慣らす

ただし、生後3~12週というこの時期は、病気にかかりやすい時期でもあります。

親から受け継いだ免疫が、ちょうど無くなる時期だからです。

 

ワクチンを打っていても、伝染病にかかる恐れはあります。

そのため獣医さんから、子犬を外に出しちゃダメと言われることもあるかと思います。

一理あるのですが、この時期の経験が少ない(=社会化不足)と、恐怖心いっぱいの犬に育ってしまうかもしれません。

 

ですので、工夫して慣れさせてあげるべきなんです。

例えば、直接地面に降ろさず、抱っこしてお散歩に出る。

他の人や犬、色々なものを、少し遠くから見せる。

方法はいくらでもあります。

 

知り合いに、家に遊びに来てもらうのも良いですね!

 

12週齢を過ぎたら社会化は終わり?

3~12週を過ぎたら、もう様々なものに慣らしたり経験させる必要が無い・・・

というわけではありません。

 

犬は生涯を通じて、色んな事を学んでいきます。

様々な経験は、いくつになっても必要なんです。

 

また成犬になったからと言って、もう新しいものや嫌いなものに、慣らせなくなるわけでもありません。

子犬の頃より根気はいりますが、手遅れではないのです。

 

社会化とは? まとめ

まとめます。

 

1.色んなものに慣らし、穏やかな生活を送れるようにするのを「社会化」という。

2.生後3~12週が社会化に適した時期だが、それを過ぎたら終わりではない。

3.成犬になっても社会化はできる。ただし時間がかかる。

 

ちなみに余談ですが、人間も似たような成長段階を通ります。

子供の頃は、親がハラハラするくらい、周囲の危険など気にもとめず、好奇心に従って行動しますよね?

彼らはそうやって、今後の生活に必要なことを学ぶんです。

犬も人も同じなんですね!

 

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