「人と犬の気持ちを大切に」がモットー!
ドッグトレーナー岡元です!
「社会化」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
専門用語なのですが、最近よく聞くようになりました。
今回は、社会化とはなんぞや?
何のため必要?というお話です。
目次
社会化とは?
社会化とは「犬を様々な物に慣らし、社会生活に適応させること」です。
ではその社会化が不足していたら、何か困るのでしょうか。
一つの例をもとに、ご説明致します。
臆病な犬と動じない犬
臆病でいつもビクビクしている犬を見たことがありませんか?
あらゆるものが恐怖の対象になっているので、犬にも辛い状況です。
対して多少の物事には動じない、穏やかで落ち着いた犬もいます。
彼らの違いは、どこから来ているのでしょうか?
色々な原因がありますが、その一つに「子犬の頃の経験が豊富かどうか」があります。
犬も人間と同じで、色々な経験をすると自信が付きやすくなります。
自信のある犬は、物事の対処に優れる傾向があります。
子犬の頃に様々なものに慣らすと、穏やかで落ち着いた性格になりやすいのです。
様々なものに慣らすとは、冒頭でお話した「社会化」のことです。
つまり社会化不足の犬は、臆病になりやすいんですね。
具体的に何に慣らせば良いの?
様々な物と言っても、具体的には何に慣らすのでしょうか。
答えは、「様々な人・動物・環境・物」です。
人なら、体の大きい人・小さい人。
お子さんからお年寄り。
男性・女性。
帽子をかぶっている人、コートを着ている人、杖や傘を持った人など。
動物であれば、色々な犬たち。近所で見かける猫や鳥たちなど。
環境や物であれば、静かな所、騒がしい所。
自然、街中、屋内外、散歩コース。
それに掃除機、インターホン、車やバイク。
首輪やリード、爪切り、ブラシ、ドライヤーなど。
慣れさせる対象は、今後人間社会で出会うであろう全てのもの。
実際には、ありとあらゆるものに慣らすのは不可能です。
しかし、できる限り多くのものを見せたり匂わせたり、経験させるのが理想的です。
例えば動物病院なども、慣らしたい対象ですね。
病院の協力が必要ですが、獣医さんや看護師さんからオヤツをもらったり、診察台に慣れさせてもらえたらグッドです。
実際に、あるお客様の愛犬で、子犬の頃から動物病院スタッフさんに可愛がられて育った、シェルティーちゃんがいます。
その子は動物病院内でも、オドオドせず、とってもリラックスできているそうです。
社会化に最適な時期
犬の社会化には、最適な時期があります。
それは生後3週~12週の間です。
この時期の子犬はとても好奇心が旺盛で、かわりに警戒心・恐怖心は低いです。
そのため、色んなものに慣れやすいんですね。
12週をすぎる頃から、警戒心・恐怖心が増していき、好奇心を上回るようになります。
この変化は、動物の成長に応じた脳のプログラムによるものです。
子供の頃は親が危険から守ってくれます。
そのため、好奇心が高く色んなものに興味を示しても、比較的安全です。
むしろ外からの刺激を受け、今後の社会生活に適応していけるように、成長する必要があります。
しかし大人になっても、警戒心・恐怖心が低いままだと、とても危険です。
もし野生なら、天敵となる動物に不用意に近づいてしまう恐れがあります。
すると捕食されたり、命の危険にさらされてしまいます。
そのため、好奇心を抑えて、警戒心を高めなければならないのです。
もともとは、生きていくために必要な変化なんですね。
デリケートな時期だから、気をつけながら慣らす
ただし、生後3~12週というこの時期は、病気にかかりやすい時期でもあります。
親から受け継いだ免疫が、ちょうど無くなる時期だからです。
ワクチンを打っていても、伝染病にかかる恐れはあります。
そのため獣医さんから、子犬を外に出しちゃダメと言われることもあるかと思います。
一理あるのですが、この時期の経験が少ない(=社会化不足)と、恐怖心いっぱいの犬に育ってしまうかもしれません。
ですので、工夫して慣れさせてあげるべきなんです。
例えば、直接地面に降ろさず、抱っこしてお散歩に出る。
他の人や犬、色々なものを、少し遠くから見せる。
方法はいくらでもあります。
知り合いに、家に遊びに来てもらうのも良いですね!
12週齢を過ぎたら社会化は終わり?
3~12週を過ぎたら、もう様々なものに慣らしたり経験させる必要が無い・・・
というわけではありません。
犬は生涯を通じて、色んな事を学んでいきます。
様々な経験は、いくつになっても必要なんです。
また成犬になったからと言って、もう新しいものや嫌いなものに、慣らせなくなるわけでもありません。
子犬の頃より根気はいりますが、手遅れではないのです。
社会化とは? まとめ
まとめます。
1.色んなものに慣らし、穏やかな生活を送れるようにするのを「社会化」という。
2.生後3~12週が社会化に適した時期だが、それを過ぎたら終わりではない。
3.成犬になっても社会化はできる。ただし時間がかかる。
ちなみに余談ですが、人間も似たような成長段階を通ります。
子供の頃は、親がハラハラするくらい、周囲の危険など気にもとめず、好奇心に従って行動しますよね?
彼らはそうやって、今後の生活に必要なことを学ぶんです。
犬も人も同じなんですね!
大阪で出張型 犬のしつけ教室をしています。
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